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ジェットスター・ジャパン、A321LR新造機「JA29LR」を公開、11月6日就航へ
ジェットスター・ジャパンが11月6日に就航させるエアバスA321LRの4号機(JA29LR)が公開された。リブランドに向けたオールホワイト塗装の機体で、国内初採用のMFRLをはじめ、燃料ノズル自動冷却機能など新技術を多数搭載。客室仕様も刷新し、運航・整備性と顧客利便性の向上が図られている。
10月29日に日本に到着した、ジェットスター・ジャパンのエアバスA321LRの4号機(登録記号:JA29LR)が11月6日に就航する。それに先立ち、機内外を報道関係者に公開した。
JA29LRの11月6日の運航スケジュールは以下の通りだ。
GK105便:成田(08時35分)発→新千歳(10時15分)着
GK104便:新千歳(11時05分)発→成田(13時00分)着
GK109便:成田(13時55分)発→新千歳(15時45分)着
GK156便:新千歳(16時35分)発→関西(19時05分)着
GK234便:関西(20時05分)発→成田(21時25分)着
JA29LRは、2027年7月に予定されている新ブランドへの移行準備として導入された「トランジション塗装機」である。外観はロゴやブランドカラーを排したオールホワイト塗装となっている。
すでに保有している1号機から3号機(JA26LR~JA28LR)と比較して、複数の変更が施されている。エンジンはCFMインターナショナル製のLEAP-1Aを搭載するが、エンジン部品の耐久性向上パッケージを組み込んだ仕様となり、高温・高負荷部品の耐久性を強化して信頼性向上、整備コストおよび作業負荷の低減を図っている。
さらに、エンジン整備性に関する技術として、LEAP-1A RBS(Reverse Bleed System:リバースブリードシステム)が納入時から装備されている。エンジンをシャットダウンした際に、燃料ノズルの内部などに残った未燃焼の燃料が、燃焼室から伝導した熱によって炭素として堆積する可能性がある。これを抑制するために、従来は、長時間の駐機前などに整備士が機内に入って、マニュアル操作でエンジンを回転させ換気・冷却を行なう必要があった。
RBSは着陸およびエンジン停止を検知し、電動ファンが自動回転して外気を吸い込み、ノズルを自動冷却する。これによりマニュアル操作が不要となり、燃料ノズルの寿命延伸と整備作業負荷の軽減を実現する。なお、既存の3機(JA26LR~JA28LR)もエンジン取り卸し時の改修によってRBS対応済みだ。
灯火システムには、国内で初めてMFRL(Multi Functional Runway Light:多機能滑走路灯)を採用した。従来の機体ではノーズギアにタキシーライト、テイクオフライト、ランウェイ・ターンオフライトが配置され、主翼付け根にランディングライトが配置されていた。これら複数の灯火機能を一体化し、左右主翼の付け根付近に配置したLED灯火システムがMFRLである。
ノーズギアから灯火類が排除されたことで、灯火パーツそのものの軽量化に加え、前脚部への配線ケーブルも不要になり、機体の軽量化に寄与している。また、従来の露出した前脚灯火では雨水などによるコネクタ腐食のリスクがあったというが、カバー内に収められたことで低減し、灯火の寿命延伸と整備性の向上につながっている。
通信システムではSATCOM(衛星通信システム)を搭載する。同社の保有機材のうち、A320ceoのJA24JJとJA25JJには音声通話のみに対応したイリジウム衛星通信が搭載され、A321LRのJA26LRからJA28LRにはSATCOMが搭載されていなかった。今回導入されたJA29LRには新仕様のSATCOMが装備され、音声通話に加えてACARSなどのデータ通信に対応し、遠隔地や洋上飛行中においても、より安定した音声・データ通信を行なえるようになった。
また、ADFアンテナは、従来の2系統から1系統へと集約された。
非常用位置指示無線標識としては、従来のELTに加え、次世代型のELT-DT(Distress Tracking:遭難追跡型ELT)が搭載されている。
従来のELTは衝撃検知後(つまり墜落などのあと)に信号を発信するが、ELT-DTは飛行中に異常姿勢や急激な降下などの遭難状態を検知すると、飛行中から機体の位置情報を自動発信し続ける。これにより、遠隔地や洋上での事故発生時における迅速な捜索・救難活動を支援する。
さらに、離着陸時の滑走路逸脱リスクを監視して早期警告を行なう「ROPS Step 2+」も搭載されるなど、リスクにいち早く対応できるようシステムが強化されている。
フルギャレー化と「XL bin」の採用、「ジェットスター」ロゴも残る
客室は、エアバスの新客室仕様「Airspace」となった。最後部ギャレーが従来のSpace-Flexによるハーフギャレー仕様からフルギャレー仕様へと変更。作業スペースと収納能力が拡大し、客室乗務員の作業効率向上や、通路での動線の干渉を防ぐレイアウトになっている。
この変更に伴い座席配置が1列減少し、座席数は従来の238席から232席となった。これは、ラバトリーが、従来の後方ギャレー横の並列配置から、客室最後列の後ろに通路を挟んで左右に配置されるレイアウトになったためである。
また、前方1か所のフォワードラバトリーはユニバーサル仕様となっている。手すりを設置したほか、車椅子から便座への移乗に使用する引き出し式トランスファーシートを備え、アクセシビリティの向上を図っている。化粧室には抗菌およびタッチレス機能(水栓・フラッシュ)が導入され、随所にピクトグラムが採用されている。
オーバーヘッドコンパートメントには、大型化された「XL bin」を採用。従来サイズに比べ収納容積が40%拡大し、手荷物の搭載個数は60%増加した。スーツケースを立てて縦向きに収納することが可能となり、乗降時の手荷物収容をスムーズにして定時運航率の向上につなげる。
座席自体の形状やシートピッチは従来機と同等であるが、各座席のUSBポートは従来のType-A単体から、Type-AおよびType-Cの2口仕様に変更され、2台同時の充電に対応する。
各座席頭上のパッセンジャー・サービス・ユニットに配置されている客室乗務員呼び出し用のコールボタンについても、デザインと操作性の見直しが行なわれた。従来機では丸型のボタンで押すと黄色く点灯する仕様であったが、新造機では横長形状のボタンへと変更され、押すと青く点灯するようになった。これにより視認性を高め、利用客の使いやすさ向上を図っている。また、機内中央付近の非常口案内サインにもピクトグラムが初採用された。
客室照明は従来の4段階制御からLEDによる6段階制御へリニューアルされた。通常の点灯や減光に加え、「BOARD(搭乗時)」「TAKE OFF/LANDING(離着陸時)」「MEAL(機内サービス時)」「SLEEP(睡眠時)」「WAKE UP(起床時・到着前)」「RELAX(リラックス時)」の6パターンの照明設定を備える。モード切り替え時は時間をかけて徐々に照明が遷移する制御となっており、ギャレーの灯火も客室照明の設定に連動して変化する。
客室の前方および後方の壁面には、オレンジと濃紺のブランドカラーにジェットスターの象徴であるスターマークをあしらったカーテンが設置されている。このカーテンはリブランドが実施されるまでの期間限定で、トランジション期間ならではの仕様となる。
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