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APUの排気口、三発機では意外な位置に~ 連載【月刊エアライン副読本】

【連載】ヒコーキがもっと面白くなる! 月刊エアライン副読本
「空のエンターテインメント・メディア」として航空ファンの皆さまの好奇心と探究心にお応えすべく、航空の最前線、最先端技術などを伝えている月刊エアライン。そんな弊誌でテクニカルな記事や現場のレポートを中心に執筆に携わる阿施光南氏が、専門用語やテクノロジーをやさしく紹介するオリジナルコラムです。
APU(補助動力装置)は、地上などエンジンが停止しているときに、機体に電気を供給したり、エンジン始動のための高圧空気を供給するための装置だ。
その正体は小型のタービンエンジン、つまりジェットエンジンと同じだが、出力を推進力として使うのではなく発電機などの動力として使うのが違いである。
初期のボーイング707やダグラスDC-8にはAPUがなかったから、地上車両(GPU)から高圧空気を送り込んでエンジンを始動していた。ちなみに超音速旅客機コンコルドにもAPUはなかった。
しかし現代のジェット旅客機はほぼ例外なくAPUを装備しており、たいていは胴体最後部にAPUの排気口がある。
ところがボーイング727やロッキード・トライスターL-1011などの三発機は、ここにもエンジンをつけているからAPUは別の場所につけなくてはならない。
同じく三発機のマクダネル・ダグラスDC-10は垂直尾翼にエンジンをつけているので胴体後部にAPUを装備できるはずだが、後端にはそれらしい排気口はない。
実は727のAPUはメインギアの格納部付近にあって、その排気口は右主翼の上にあった。DC-10は胴体後部に中央エンジンを整備するためのハシゴなどを設けていたので、それより前にAPUを装備していた。排気口は右水平尾翼の下の胴体に開いていて、トライスターもほぼ同じ配置である。
少し意外なのがマクダネル・ダグラスDC-9だ(MD-80やMD-90も同じ)。胴体後部にAPUは装備しているが、その排気口は後端ではなく右エンジン取付部の上にある。実はDC-9では後部にも非常脱出口があって、胴体後端を吹き飛ばしてスライドシュートが出るようにしていた。そのため、ここにはAPUの排気口を設けられなかったのである。
ちなみにDC-9の垂直尾翼の付け根には穴が開いていて、これがAPUの空気取入口かと誤解しがちだが、これはエアコンの熱交換機用であってAPUの空気取入口は胴体下にある。
また旅客機ではないが、貨物専用機のアントノフAn-124のAPUは、右メインギアを収めたバルジの後方に装備されている。
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