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“地球沸騰化”の夏を乗り切る! JALグループが推進する現場スタッフの暑さ対策を見た
“地球沸騰化”とも言われる夏本番を前に、JALグループが報道関係者向けに航空の現場で実施されているさまざまな熱中症対策を紹介。整備士へのポロシャツ導入やグラハン向け冷却ベスト、貨物上屋の大型ファン設置など、過酷な夏を乗り切るための現場の取り組みを取材した。
JALグループは、航空機の安全運航を地上から支える現場スタッフが、快適かつ安全に働ける職場環境づくりに向けてさまざまな熱中症対策を推進している。整備の現場で新たにトライアル導入したポロシャツ制服をはじめ、グランドハンドリングにおける最先端の冷却機能(ペルチェ素子)付きベスト、蒸し風呂のような状態だった貨物上屋の環境を劇的に改善した大型ファンなど、さまざまな対策を実行して過酷な夏を乗り切る職場づくりに挑んでいる。
同社は、これらの取り組みを広く発信することで、業界の枠を超え、同様に厳しい現場での業務環境改善の一助となることを目的に、報道関係者にこれらの内容を紹介した。
まずは、遮るもののない駐機場(ランプ)や、空調のない格納庫で作業を行なう整備士に、機能性にこだわったポロシャツがトライアル導入された。
通気性を高めた素材が選定され、速乾性にも優れており、衣服内に熱がこもりにくい仕様になっている。立ったり屈んだりする動きに対応できるよう伸縮性の高い生地でもあり、これは複雑な動きにおける無駄な体力消耗や疲労蓄積を防ぐという。また、肌側の裏地には“凹凸組織”の加工が施されており、大量の発汗時でも生地が肌に張り付かず、過酷な環境下での不快感やストレスを抑える。
整備士向け制服ならではの特徴として、精密機器に触れる作業があるため静電性が担保されているほか、通常のシャツより着丈が長く作られており、裾が外に出にくい工夫もなされている。
今回の導入は、国内全支店を対象としたトライアル導入となる。現時点ではまだ改善点があると考えられており、実際に着用した整備士の意見を取り入れたうえで本格導入へ向けた改善が進められる予定である。
取材に応じた德永大輔氏は、つなぎでは汗が染み込んだまま作業をすることになるが、ポロシャツは通気性や速乾性がよく着心地がよいと語る一方で、つなぎに比べてポケットが少ないため、現場から意見を出して、改善や機能性の充実を図ってほしいという期待も示した。
グランドハンドリングスタッフ向けには、2025年夏よりJALオリジナルの「ペルチェ素子付き空調安全ベスト」が導入されている。このベストは、空調ファンを通る風を実気温からマイナス40℃まで冷やすことが可能なペルチェ素子付き空調ファンを2つ装備しており、夏場の屋外作業時における一定の体温上昇を抑え、熱中症対策に効果を発揮するものだ。保冷剤を入れるポケットも複数用意されており、さらなる冷却機能の強化が可能である。
さらに、首元の動脈を冷やしつつヘルメット内に風を送り込めるよう首元にスペースができる構造となっており、高視認性安全規格や高耐久性リップストップ生地、落下防止チャック付きポケットなどを備えている。
2025年の導入初期からは仕様の改善が行なわれている。導入当初はバッテリーのコネクタ部分が抜けやすく作業中に止まってしまう問題点が発生したため、コネクタ部分を抜けにくい仕様へ変更したという。
着用はスタッフが任意に選択でき、国内51空港のグラハンスタッフ約6,000人のうち8割にあたる4,664人が着用しているほか、海外空港にも展開されている。初年度は手探りで使用していたスタッフが多かったが、実際の使用経験やスタッフ同士の口コミによって涼しいという評価が広がり、着用を希望するスタッフが増加したという。
入社7年目の井上倫明氏は、後ろからの風と保冷剤の冷たさにより涼しさを感じられると評価し、作業後の疲労感についても、汗がさらっとしており疲れ方が異なると感想を述べている。
空調設備のない貨物上屋などの作業現場では、夏場に熱気が滞留してサウナ状態となり、熱中症リスクの増大や従事者の体力消耗が課題となっていた。シャッターの開放時間が長いため、スポットクーラーなどの個別対策のみでは全体改善が困難であったことから、大風量の空気を循環させる大型のシーリングファンの設置が行なわれた。このシーリングファンは直径約7mの4枚羽根仕様で、低回転で大容量の空気を循環させることで、一基につき約2,000平方mの空間をカバーする。
2025年に西貨物地区の上屋へ1基をトライアル設置して効果検証が行なわれたあと、効果が確認されたため、西貨物地区へ1基を増設。さらに東貨物地区の上屋にも1基が設置された。
現場で作業を行なう村井健斗氏は導入後の変化について、「シーリングファンがないときは建物内で風通しがわるく、空気がこもっていたが、設置後は風の循環がよくなり体感的に楽になった」と、熱気がこもった環境下での作業において、空気の循環による改善効果を実感しているという。
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