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飛行機の燃料に使われる単位”ガロン”や”ポンド”とは?~ 連載【月刊エアライン副読本】

文:阿施光南 写真:阿施光南
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【連載】ヒコーキがもっと面白くなる! 月刊エアライン副読本
「空のエンターテインメント・メディア」として航空ファンの皆さまの好奇心と探究心にお応えすべく、航空の最前線、最先端技術などを伝えている月刊エアライン。そんな弊誌でテクニカルな記事や現場のレポートを中心に執筆に携わる阿施光南氏が、専門用語やテクノロジーをやさしく紹介するオリジナルコラムです。

(給油イメージ)
給油イメージ。

 自動車やバイクのカタログを見ると、燃料搭載量が書かれている。飛行機も同じだが、リットル(L)だけでなくガロン(gal)という単位が多く使われているのが特徴だ。

 これは航空大国アメリカで使われている単位であるというだけで、合理的な理由はない。1ガロンは3.785リットル(大雑把に4リットル弱)だが、いずれも体積を示す単位である。

A380は主翼や尾翼内などに燃料タンクがあり、最大で32万リットルの燃料を搭載できる。
A380は主翼や尾翼内などに燃料タンクがあり、最大で32万リットルの燃料を搭載できる。それがどれだけの量なのかはイメージしにくいが。
地方空港でよく見かけるタンク式給油車(フューエラー)。
地方空港でよく見かけるタンク式給油車(フューエラー)。このサイズだと2万リットルなのでA380を満タンにするためにはのべ16台必要。

 例えばA380の燃料搭載量は32万リットルだ。まったくピンと来ない数字だか、燃料を補給するタンク車(フューエラー)1台には2万リットルの容量があるから、A380を満タンにするには、のべ16台ものフューエラーが必要になる計算だ。

 あまりそうした光景(フューエラーの行列)を見ることがないのは、A380が就航するような大空港では地下を通した配管(ハイドラント)から燃料を送り込んでいるからだ。

A380が就航するような大空港では地下に燃料配管が通されており、燃料タンクを持たないサービサーという車両を介して給油している。
A380が就航するような大空港では地下に燃料配管が通されており、燃料タンクを持たないサービサーという車両を介して給油している。

 また実際には、旅客機が満タンで飛ぶことは稀だ。旅客機は最大離陸重量が決められており、それは燃料と乗客、貨物をすべて満載するよりも軽い。つまり満タンにすると、乗客や貨物を減らさなくては飛べなくなる。

 そこでフライトのたびに必要十分な燃料を計算し、乗客や貨物も含めた重さが最大離陸重量以内であることを確認する。OKならば、燃料会社に給油を依頼するわけだ。

アメリカの小型機空港にある給油施設。
アメリカの小型機空港にある給油施設。燃料の単位がガロンになっている。だが国境を越えて飛べる飛行機には、リットルを使うものもある。

 ところが、飛行計画で計算された燃料はリットルなどの体積ではなく、キログラム(kg)やポンド(lb)という重さだ。

 自動車では「10リットルだけ給油してください」ということはあっても、「10キログラムだけ給油してください」ということはないだろう。しかし重量が重要な旅客機の世界では珍しいことではないから換算が必要になる。

 ちなみにJetA-1などのジェット燃料の体積は気温によって変わるから厳密に換算するのが面倒くさいが、だいたい1リットルならば約0.8キログラム、1キログラムのジェット燃料は1.2~1.3リットルだ。

飛行中のA320のエンジン計器。
飛行中のA320のエンジン計器。日本の航空会社だが、FF(燃料流量)などにはポンドの表示。ここでは体積ではなく重さを使用している。
同じエアバス機ながらヨーロッパの航空会社のA340のエンジン計器。
同じエアバス機ながらヨーロッパの航空会社のA340のエンジン計器。FF(燃料流量)やFOB(搭載燃料)の単位にはキログラムが使われている。

 さらに面倒くさいのは、先ほども書いたように航空業界ではガロンやポンドなどアメリカの慣用単位も根強く使われているということだ。体積1ガロンならば重さは約6.7ポンド、重さ1ポンドなら体積は約0.15ガロンになる。

 それに輪をかけて厄介なのは、旅客機は世界中を飛ぶために国や航空会社ごとの使用単位が変わるということだ。

 たとえばガロンやポンドを使うアメリカの航空会社が、リットルやキログラムを使う日本の燃料会社に「燃料を1万ポンド給油してください」などということもあるわけで、もはやため息しか出ない。

フューエラーによる給油作業。
フューエラーによる給油作業。燃料の単位にはリットルが使われている。海外には換算を間違えて燃料不足となった事例もあり注意が必要だ。

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