連載

トルコのAJet搭乗“前”ルポ。サビハ・ギョクチェン空港で過ごした1日

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さらに遅れたものの、気を取り直して今度こそ!

 さて、遅延のちょっとした副産物もゲットしたところで、ゲートに戻ります。結局出発はさらに遅れ、17時に再設定。16時30分過ぎに搭乗が始まりました。

定刻から3時間遅れという表示の出発案内。アムステルダムの運河の写真を映すのはいいけど…早くそこへ連れて行ってくれ〜

 代替機は滑走路の奥側にある広大な駐機エリアで待っていて、スポットまではかなり時間がかかりました。到着すると目に入ったのは、まさに冒頭で紹介した「ANADOLU JET A TRADEMARK OF TURKISH AIRLINES」のタイトルが描かれた機体。旧塗装だけど、今度は一応自社機材だ〜! と思ったのも束の間、よく見たら…。

「AJet」塗装はまだまだ少ないため旧塗装であるものの、一見すると自社保有機材に見えますが…。
ドア横に、今度は「Operated by Smartlynx」の文字がありました。騙された〜

  待っていた飛行機はスマートリンクス(Smartlynx)のA321。同社はラトビアの航空会社なので、登録記号も同国籍のYL-LDQでした。とはいえ、1機目のTC-GPDもそうですが、実際に乗ってしまえばAJet機との違いは皆無に等しいレベル。目的地にさえ連れて行ってくれれば、それでOKです。むしろ2回もACMIリース機を当てたのは、ある意味ラッキーだったのかも? ちなみに後で調べたところ、AJetが自社で保有しているA321はneoのみで、目に入ったのがceoだった時点でリース機なのは確定していたみたいです。

先ほどのTC-GPDと製造年は1年しか違わないのですが、YL-LDQは座席番号が読書灯と一緒になっている旧タイプでした。
シートポケットには先ほどと同じ「AJet Café」のメニューと、今度はスマートリンクスの安全のしおり。

 搭乗後は、ヨーロッパのフライトではほぼ毎回行なわれるスロットコントロール(管制による離陸時刻の調整)の影響で、さらにスポットで30分ほど待たされたものの、ようやく出発しました。機体はRWY06Lへとタキシングし、いよいよ離陸します。

貨物ターミナルには、リビアのアフリキア航空カーゴのA300-600Fが。でも、ラダーがありませんでした。2020年からもう4年もここで保管されているようです。奥の垂直尾翼が外されたA320は、同じリビアのラヒラ・エア(Rahila Air:2018年就航、2019年運航停止)の登録記号5A-WAT。こちらは5年もサビハ・ギョクチェンに住み着いていて、居心地が良すぎるのかドアも全開にしてくつろいじゃっていますね。
RWY06Lから離陸した機体は、ターミナルを横目に上昇。フライトの3時間ほど前から空港にいたので、到着してから6時間、結局1日中サビハ・ギョクチェンにいました。間違っても戻って来んなよ〜

フライトそのものは至って普通。筆者は夢の中にいて、あっという間に到着

 フライトルポを期待してここまで読んでいただいた方に、残念なお知らせです。この記事の面白いところはこれで終わり。フライトそのものは至って普通というか、“おトクな”機内サービスは結局利用せず、ほかに特筆すべきこともなし。ただ、遅延のお詫びとしてちょっとしたスナックだけは無料で配られました。疲れで爆睡していた筆者の分もちゃんと膝の上に置いて行ってくれたのですが、寝ぼけたまま食べてまたすぐ眠りについたので、未だに何だったのかはわかりません…。さらに隣の優しいお兄さんがスキットルズ(欧米で人気の、M&Msのような見た目のチューイングキャンディ)をたくさんくれた気もするのですが…それは夢の中の話だったかも?

 さて、筆者が夢だか現実だかわからない時間を過ごしている間、機体はアムステルダムに向けてほぼ一直線に飛行。アプローチも東側からRWY27へストレートインでした。到着ゲートは滑走路からすぐ近くのE4だったため、着陸後5分ほどでスポットイン。スロットタイムなどはスケジュール上加味されているのか遅延は少々回復し、結局定刻からジャスト3時間遅れでの到着です。

空港近くの住宅街を横目に、RWY27に着陸しました。時刻は20時少し前。さすがは夏のヨーロッパ、やっと日が沈み始める時間帯です。

 アムステルダム到着後は早速レンタカーでヒコーキ撮影に繰り出す予定でしたが、荷物を受け取って外に出たころにはもう真っ暗。次の日の早朝から出直すことにし、とりあえず車だけ借りて、途中で夕食をテイクアウトしつつホテルへ向かいました。移動だけでほぼ1日終わってしまいましたが、何はともあれ無事に到着できましたし、皆さんに楽しんでいただけた(希望的観測)記事のネタができたのでヨシとしましょう!

 ちなみにアムステルダムでは、敷地内に実機の747があるコレンドンホテルに宿泊したほか、世界最大級のヒコーキグッズ店も訪問したので、その模様もまたいつか!

KLM機が並ぶ中に、ちょこんと1機だけ紛れ込んだ搭乗機。ここからさらに入国待ちで20分ほど、荷物が出てくるまでに15分と、移動も含めて外に出るまで40〜50分かかりました。
月刊エアライン編集部の日々のヒコーキ活動をユル〜く紹介する連載「ある日のヒコ活」。今回は、夏にイスタンブールからアムステルダムへ移動する際に遭遇した、出発前のドタバタ劇を紹介するフライトレポートならぬ、フライト“前”レポートです。

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