連載
ホーチミン空港近くのカフェでヒコーキを楽しむ ~ ベトナム航空取材の合間に
【連載】月刊エアライン制作余話
月刊エアライン9月号の取材のため、ベトナム航空の拠点があるホーチミン、ハノイを訪れた本誌取材チーム。ホーチミン到着後の空き時間に、空港の近くにずらっと並ぶというスポッティングを楽しめるカフェを訪れてみました。
趣味の飛行機撮影やスポッティングに、命まで賭けてはいけない。ありうる危険は、海外など撮影禁止の場所での逮捕などだ。僕自身、逮捕まではないが警官に追い払われたりパトカーで連行されたことは何度かある。いずれもはっきりと撮影禁止とされていた場所ではなかったが、無事に放免されたのは運がよかっただけだと思っている。スパイ容疑でもデッチあげられたら、たまったものではない。
取材許可を取っての撮影ですら厳しい制限が課されることは珍しくないのだから、空港外周からのスポッティングはさらに慎重にしなくてはならない。一方で、そんな国でも、空港に展望デッキや記念撮影用ブースまで設けられていることがある。そんな場所でも、「いいのか」と思いながら、おそるおそる撮っている。
さて、ベトナム航空の取材で訪れたホーチミンのタンソンニャット空港。ここは軍の施設が併設されているから、とりわけ注意を要する空港だ。ところが滑走路東側エンドの周辺には、「飛行機が見られることを売りにしているカフェがあるらしい」と月刊エアライン編集部のT氏。飛行機が見られるからといって撮影までOKかどうかは分からないが、T氏がアジア版UberともいうべきGrabで車を呼んでくれた。
カフェは何軒かあるようだが、「そのあたり」で適当に降りた。下町のさびれた商店街といったところだが、よさそうな店を物色しようにもまるで店内の様子が分からないし、英語表記もほとんどない。そもそもカフェなのかも分からないし、本当に飛行機が見えるのか、あるいはボッたくられたりすることはないのかも分からない。
悩んでも仕方ないので、「Landing Cafe」という、いかにも飛行機ファンに理解のありそうな名前の店に入ってみた。カメラは隠すのではなく、最初から肩に吊っておいた。もし飛行機撮影が駄目ならば、店員さんが注意してくれるだろう。
実際にはカメラで察してくれたのか、最上階(4階)屋上の空港に面したテラス席に案内してくれた。風通しのよい気持ちのよい席で、目の前にRWY25Rに着陸する飛行機が見えた。ただし、隣の建物が邪魔でエプロン側の視界はない。
「もっとターミナルに近い店の方がよかったね」というのは皆さまへの教訓として、それでもビールを飲みながら何機かの着陸機を撮り、周辺に飛行機が撮れそうな場所はないかと観察した。なさそうだったけど、歩いてロケハンしてみることにした。
とにかく空港から離れないように歩いたのだが、なぜかフェンスに接近できそうな道がまったくない。バイク1台がやっと(無理に)通れるような、民家の軒下を通るような路地をずいぶんさまよったが、空港内を見られるような場所にたどり着くことはできなかった。
それも皆さまへの教訓として、また飛行機は撮れなくてもなかなか楽しかったということはお伝えしておこう。
ベトナム航空取材で訪れたホーチミンとハノイ。AIRLINE webではすでにキッザニア・ハノイの取材レポートもお届けしていますが、7月30日発売の月刊エアラインの特集「現地レポート特集 外国エアラインの最前線へ!」ではフライトレポートのほか、ホーチミンの同社訓練センターやハノイの整備施設の深部を紹介しています。
ベトナム航空以外にも、シンガポール航空、ハワイアン航空、ビーマン・バングラデシュ航空、エティハド航空と、各社の取材レポートをお届けします。
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