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NCA、成田=フランクフルト線を再開。欧州全体のサービス充実へ

欧州最大のロジスティックハブ、フランクフルト(マイン)空港への路線を16年ぶりに再開。木曜と土曜(成田発)の週2便を運航する。

文:村田尚之 写真:村田尚之
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出発前には初便の運航乗務員やNCA役員などが横断幕を手に、メディアの記念撮影に応えた。

成田発の初便では、医療機器パーツや電子部品を届ける

 2025年9月4日、日本貨物航空(NCA)は成田=フランクフルト線を再開した。同区間は成田を木曜と土曜に出発する週2便が設定され、ボーイング747-8Fによる運航となる。

 運航経路は木曜と土曜で異なり、木曜はKZ006便として成田を出発、アンカレッジを経由してアムステルダムに到着。アムステルダムからは便名をKZ055便に改め、フランクフルトを経由して成田へと戻る。

 土曜はKZ040便として成田を発ち、アンカレッジを経由してフランクフルトへ到着。フランクフルトからはKZ041便として成田へ戻る。アンカレッジは給油のためのテクニカルランディングで、基本的に貨物は扱わない。

開放されたノーズカーゴドアから見えるメインデッキ最前方の貨物には、「Back to Frankfurt」の文字とNCA機があしらわれたバナーが掲出された。
搭載作業は順調に進み、最後のパレットは19時50分頃にメインデッキに収められた。貨物の内訳はアムステルダム向けが約84t、フランクフルト向けは約23tだった。

 成田発の初便は2014年に受領したJA16KZによる運航で、最大積載量133tの約85%にあたる113.8tの貨物が搭載された(パレット・コンテナ含む)。NCAの本間啓之社長をはじめ、スタッフの見送りを受け、21時08分に902番スポットを出発。21時26分にRWY34Lから離陸した。同便の主な搭載品目は、日本発が医療機器パーツや電子部品、上海発(成田で中継)がPCや自動車部品、服飾類だった。

 NCAでは2002年2月から2009年9月までフランクフルト(マイン)線を運航していたが、リーマンショックにより休止。さらに、2012年9月から2019年12月までフランクフルト(ハーン)線も運航していたが、ネットワーク改善のために休止されており、今回は再々就航となる。

NCAフランクフルト線 運航スケジュール
【木曜日】
KZ006便:成田(21時05分発)→アンカレッジ(11時00分着/12時30分発)→アムステルダム(翌日07時15分着)
KZ055便:アムステルダム(11時20分発)→フランクフルト(12時30分着/14時45分発)→成田(翌日10時55分着)

【土曜日】
KZ040便:成田(23時15分発)→アンカレッジ(13時10分着/14時40分発)→フランクフルト(翌日10時00分着)
KZ041便:フランクフルト(13時45分発)→成田(翌日09時55分着)

NCAの本間啓之 代表取締役社長。「フランクフルトは欧州最大のロジスティックハブであり以前から再開を検討していた。ネットワークの拡充により、欧州全体のサービスを充実させたい」と語った。
KZ006/KZ055便はほぼ定刻、21時08分に成田空港902番スポットからブロックアウト。関係者が手を振って出発を見送った。
エプロンからA滑走路南端に向けて進むNCAの747-8F、JA16KZ。隣接するスポットでもNCA機への搭降載作業が行なわれていたが、やはり747の美しい佇まいは圧巻だ。
欧州最大のロジスティックハブ、フランクフルト(マイン)空港への路線を16年ぶりに再開。木曜と土曜(成田発)の週2便を運航する。

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