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スカイマークが737 MAXシミュレーターを公開。737-800との違いもチェック!
2026年3月に737 MAX 8の初号機を受領予定のスカイマーク。それよりひと足先に、パイロットや整備士の訓練などに使うフルフライトシミュレーター(FFS)が納入され、メディアに公開された。同社が現在運航する737-800との違いなどと合わせて、一新された737 MAXのコクピットを紹介しよう。

FFS導入で実感。近づいてきた737 MAXの受領
いよいよ日本にも、737 MAXの時代がやってくるという実感がわいてきた。7月18日、スカイマークは737 MAX 8(737-8)のFFS(フルフライトシミュレーター)を報道公開し、パイロット訓練生による模擬フライトをデモンストレーションした。
FFSは実機と同じコクピットに、景色を投影するビジュアルシステム、加速度を再現するモーションシステム、そしてサウンドシステムを備えた訓練装置だ。スカイマークではパイロットの訓練や試験、審査のほか、整備士の訓練や試験、飛行中に発生したイレギュラーな事態などの再現検証、新しい航法データを実機に入力する前の検証など、さまざまな用途にFFSを活用している。新人パイロットの副操縦士任用訓練では途中で実機による慣熟訓練をはさんでいるが、そのほかのパイロット訓練はすべてFFSで行なっている。


公開された737 MAX 8のFFSは、現在2基が稼働中の737-800FFSと同じCAE7000シリーズながら、各部が改良されているCAE7000XR。特に制御用のコンピューターは一新されている。今年2月に分解された状態で羽田空港のスカイマーク訓練施設に搬入され、組み立てや調整のうえで4月23日に国土交通省航空局(JCAB)からFFSの最高位であるレベルD認定を取得。その後、5月5日から6月6日にかけてFFS整備訓練が行なわれ、6月9日から供用が開始された。
FFSは実機と同じ部品を使い、実機同様に作動することが求められるため、認定を受けた後でも専門の整備士による整備や検査、そしてJCABの品質監査などを受ける必要がある。そのための整備士訓練が、最初に行なわれたのだ。

現行の737-800のFFSにおける、副操縦士任用訓練の様子。ディスプレイの数と大きさが異なるが、基本的な手順は同じになるように設計されている。


型式限定は共通も、差異訓練をどうするかが課題
スカイマークは737-800と同規模の737 MAX 8を13機、胴体が長く座席数が多い737 MAX 10(737-10)を7機発注しており、2026年3月には最初の737 MAX 8を受領する予定だ。737 MAX 8のパイロット資格(型式限定)は737-800と共通化されているが、コクピットに6面あった7.1インチのディスプレイは4面の15.1インチディスプレイに変更され、最新の製造機ではMCDUもタブレットのようなタッチスクリーン式のTCDUになっている。
こうした違いもあって、乗務するためには両モデルの差異などを中心とした訓練が必要になるだろう。それをどのような内容にするかは、やはり737 MAXを導入するANAやJAL、そしてJCABとともに詰めている段階だという。順調ならば、737 MAX 8初号機の受領の約半年前、9月から10月ごろには本格的に訓練がスタートするはずだ。


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