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トキエア、「Ansett Aviation Asia」のシムを利用開始。佐渡就航を、アンセット・オーストラリア航空のレガシーが支える
かつてオーストラリアを代表する航空会社の1つであり、ボーイング747で関西空港にも乗り入れていたアンセット・オーストラリア航空。その「アンセット」の名と、尾翼でお馴染みだったスターマークのロゴを受け継いだ「Ansett Aviation Training」の台北の施設を、トキエアが訓練で使用する。

トキエアは、「Ansett Aviation Asia」のATRシミュレーターを使用した運航乗務員(パイロット)の訓練を開始したと発表した。
Ansett Aviation Asiaは、オーストラリアに本社を置く「Ansett Aviation Training」の台北の訓練拠点。「アンセット」の名や、そのロゴに見覚えがあるという人も多いだろう。それもそのはず、これらは2001年に破綻したアンセット・オーストラリア航空のものだ。
アンセット・オーストラリア航空は、かつてオーストラリアを代表する航空会社の1つだった。国内線はもちろん、多くの国際線を運航。日本においても、関西空港に開港当初の1994年から2001年まで乗り入れていて、まさにAnsett Aviation Trainingと同じロゴを尾翼に掲げたボーイング747を日常的に見ることができた。
Ansett Aviation Trainingはこのアンセット・オーストラリア航空のパイロット訓練施設が、破綻の際に訓練企業として独立したもの。メルボルン国際空港の近くに本拠地を置くほか、同じオーストラリアのブリスベンやマルチードア、さらに台湾の台北、UAEのドバイ、イタリアのミラノにも拠点を置き、ホーカー・ビーチクラフト キングエアといった小型ターボプロップ機から、ボーイング737やエアバスA320といった大型ナローボディ機まで、さまざまな機種の飛行訓練装置(シミュレーター)を保有している。
トキエアでは2024年春より、運航乗務員訓練の効率的な実施のために、神奈川県横浜市に本社を置くPILOTAGE合同会社と連携している。今回は同社の支援の下、Ansett Aviation Asiaが訓練に必要な日本の国土交通省 航空局(JCAB)のシミュレーターレベルD認定を4月8日に取得した。トキエア側でも訓練開始に必要な手続きが完了し、5月10日からAnsett Aviation Asiaでの訓練を開始している。
先日3号機として初めてATR42-600を受領し、悲願の佐渡就航も視野に入ってきたトキエア。同社では佐渡就航へ向けた訓練もAnsett Aviation Asiaのシミュレーターで実施する計画だ。かつて日本にも乗り入れたオーストラリアを代表する航空会社のレガシーの力を借りて、トキエアは佐渡就航を果たせるのか。

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