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JALスカイ札幌の開発担当者に訊いた! 車輪止めから生まれたJAL×三菱鉛筆コラボのマルチペン 『JETSTREAM X JAL reborn and fly』

JALと三菱鉛筆がコラボして、使用済みのチョーク(車輪止め)のアップサイクル品として生まれたのが、この『JETSTREAM X JAL reborn and fly』だ。約2年をかけて商品化に辿りついた、JAL側の開発担当者に訊いた!
※2025年4月30日発売の月刊エアライン6月号では『JETSTREAM X JAL reborn and fly』を5名さまにプレゼント! ぜひ誌面をチェックしてください。

文:齋藤千歳 写真:齋藤千歳
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『JAL reborn and fly』の開発担当者である伊橋真由さん。会話の端々から飛行機や空港に対する愛情があふれ出ていました。

販売ルートは基本的に北海道限定! 販売本数も事実上、3,000本限定のレアアイテム

 株式会社JALスカイ札幌、は三菱鉛筆北海道販売株式会社との初コラボレーションアイテムとして、航空機の車輪止め(滑り止め)としての役割を終えたチョークをペンのグリップ部分にアップサイクルしたマルチペン『JETSTREAM X JAL reborn and fly』(以下『JAL reborn and fly』)を3月19日に発売しました。

 『JAL reborn and fly』は4色ボールペン+シャープペンシルの機能をもったマルチペン。本体カラーは5色が用意されており、価格は3,850円(税込)です。

 最大の特徴はペン軸のグリップ部分に、航空機の車輪止めとして活躍していた木製のチョークを使用していること。使用済みのチョークさえあれば簡単に作れてしまいそうな『JAL reborn and fly』ですが、実は今回商品化した初期生産分3,000本を発売するまでには、2年半もの開発期間が必要だったといいます。その開発ストーリーを、実際に携わった担当者に伺ってきました。

写真右手前の赤く塗装されているのが、航空機用の車輪止め「チョーク」です。
車輪止めチョークをアップサイクルしたJALのマルチペン。4月30日発売の月刊エアライン6月号では5名さまに読者プレゼントします!

「1本、1本が “私の子ども” といえるほどの思いがこもっています」

 『JAL reborn and fly』には「1本、1本が“私の子ども”といえるほどの思いがこもっています」と話してくれたのは、開発を担当したJALスカイ札幌の伊橋真由さん。

 ほとんど飛び込み営業に近い形で三菱鉛筆北海道販売の担当者の方が訪ねて来られて、「JALさんはカーボンオフセットのための森林などをお持ちではないですか? もし、お持ちなら、そこから発生する間伐材などを使って文房具をコラボレーションしませんか?」といった提案を受けたのです。「2年半前に、この(取材を受けている)応接室で」。

 残念ながら、所有する森林はありませんでしたが、アップサイクルできる木材の備品があれば、なにかを作れると感じた伊橋さんは社内を探しまくったといいます。「そして、みつけたのが航空機の車輪止めに使っている木製のチョークだったのです」と伊橋さん。

実際に使用中のチョーク。すぐ側には水たまりができており、内部に水が染み込むチョークが出てくるのも理解できます。

  航空機に使われている木製のチョークは実は消耗品で、発着の頻度が高い羽田空港では約10か月で新品が削れて役割を終え、廃棄になりますし、新千歳空港でも1年程度しかもたないといいます。このチョークに、伊橋さんは目を付けたわけです。

 社内で常に一定量が消費されており、廃材として発生する使用済みの木製チョークを確保すれば、それでアップサイクル文房具が作れると思ったそうですが、現実はそれほど甘くなかったのです。

アップサイクルする使用済みチョークを、伊橋さん自らが1本ずつチェック

 航空機の車輪止めに使われているチョークは1本が5kg前後の重量。アピトンという東南アジアに分布するフタバガキ科の広葉樹でできており、耐久性や耐水性に優れているといいます。「単純に、アピトンでできた使用済みチョークを社内で集めればいいと思ったのです」と伊橋さん。

 しかし、実際に集めてみると問題が多数発生しました。まずアピトンが硬すぎて、そもそも加工が難しい、さらに使用済みのチョークにはかなり深い内部にまで石や砂利などが食い込んでいることがあり、より加工難易度がアップするといいます。

 そして、集めてみてからわかったと言いますが、使用済みのチョークはかなりの割合で水などが染み込んでいたり、内部がすでに腐っていたりして、ペンの軸などにアップサイクルできる状態ではなかったのです。

 ある程度の使用済みチョークが集まってくると、伊橋さん自身が「1本ずつ、実際に持って、見て、検品しました」。そして、実際にペンの軸に加工できるものは半分程度だったとのこと。

開発担当の伊橋さん自身が新千歳空港で撮影した写真をベースに、生成AIと作り上げたというイラスト。2本並べるとイラストがつながるデザインなど、細部にもこだわりが満載。

 そんな地道な作業を経て、2年以上の歳月をかけて集めたチョークで製造したのが、今回発売した初期ロット分約3,000本。「残念ながら、次回生産の材料確保などの目処が立っていないため、現在のところ、事実上の限定生産品になっています」と話してくれました。

 販売ルートについては、大丸藤井セントラル、コーチャンフォー各店舗、文教堂 新千歳空港店、フライヤーズ、丘珠空港2階売店、エルムの森(※販売場所は順次追加予定)と基本的に北海道限定となっていますが、今回は4月30日に発売となる月刊エアライン6月号の読者プレゼント用として、5本をご提供いただきました。

 慣れない画像生成AIを駆使してパッケージのイラストまで自身で手がけた伊橋さんは、「使用済みチョークの状態を、1本、1本抱き上げて確認してアップサイクルされた『JAL reborn and fly』は、本当に私にとって自分の子どものような存在です。多くの方の元でリボーンして飛躍してもらえたら、本当にうれしく思います」と語ってくれました。

JAL社内でも好評だという『JAL reborn and fly』。購入する方は、グリップの木目や色合いなどを吟味しているといいます。

縁起が良い「チョーク」のアップサイクルアイテム

 AIRLINE webの読者の皆さんならご存じかもしれませんが、航空機の車輪止めの再利用アイテムとして、筆者は羽田神社とJALのコラボレーション企画で生まれた『滑らない合格祈願お守り』を思い出したわけです。

 同じ使用済みチョークを使用した『JAL reborn and fly』はマルチペンであることもあり、筆者は受験生などの滑らないアイテムとしても効果がありそうだと感じました。

 また、春とはいえまだ雪が残る北海道の道を運転するドライバーである筆者は、滑り止めのお守りとして、普段の取材などでも『JAL reborn and fly』を愛用するのもありかと思っています。そして、なにより家庭でも、職場でも、余計なおやじギャグがよく滑る筆者には必携のアイテムかもしれません。

JALと三菱鉛筆がコラボして、使用済みのチョーク(車輪止め)のアップサイクル品として生まれたのが、この『JETSTREAM X JAL reborn and fly』だ。約2年をかけて商品化に辿りついた、JAL側の開発担当者に訊いた! ※2025年4月30日発売の月刊エアライン6月号では『JETSTREAM X JAL reborn and fly』を5名さまにプレゼント! ぜひ誌面をチェックしてください。

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