ニュース

ANA怒涛の国際線展開の幕開け! 羽田=ミラノ線就航

この冬、ミラノ、ストックホルム、イスタンブールの3都市へと新たに乗り入れるANA。その幕開けは12月3日に就航した羽田=ミラノ線。間もなく日付が変わろうとする12月2日の深夜から羽田空港第2ターミナルの国際線エリア、73番ゲートは熱気に包まれていた!

文:山田 亮(本誌編集部) 写真:合田昌史
X Facebook LINE
出発は午前1時9分(離陸は1時23分、RWY34Rから)。横断幕とペンライトで記念すべき初便を見送ったANAスタッフたち。機材はボーイング787-9。JA892Aがアサインされた。

コロナ禍を経て4年越しの実現、25年ぶりのミラノ線

 12月2日の深夜、羽田空港第2ターミナルの73番ゲートにて23時から始まったANAの「羽田=ミラノ線 新規就航式典」。間もなくミラノへと向かう乗客や集まった関係者たちを前に、ANAを代表して全日本空輸(株)代表取締役 専務執行役員の平澤寿一氏が挨拶に立つ。

「本日ご搭乗のお客さま、この就航をお待ちいただいた方々に、改めて感謝を申し上げます。本来ならば2020年の就航を予定していたミラノ線ですが、新型コロナウイルスにより4年遅れての就航となりました。

ミラノはANAにとって約25年ぶりとなる再就航の地。ビジネス・観光の両面で多くのお客さまにご利用をいただける、日本の皆さまにとっては大変魅力的な都市です。コードシェアパートナーのITAエアウェイズの羽田=ローマ線と、当社が運航する羽田=ミラノ線を組み合わせていただければ、便利で快適なイタリアの周遊旅行を提供できると確信しています。

近年ではイタリアのお客さまの訪日需要も非常に高く、本日の初便同様、満席に近いご予約を頂戴する運航日も増えています。私たちANAの羽田=ミラノ線就航をきっかけに日本とイタリアの交流がますます発展するよう、微力ではありますが、お役に立てたらと考えています」

テープカットに臨む全日本空輸 代表取締役専務執行役員 平澤寿一氏(中央) 、駐日イタリア大使ジャンルイジ ベネデッティ氏、(左から3人目)、ITAエアウェイズ日本・インド支社長ファビオ ビゴッティ氏(左から2人目)、そしてスペシャルゲストのパンツェッタ ジローラモ氏(右から2人目)。

コードシェアパートナーとして、ITAエアウェイズとの関係性を強化

 この冬、ANAが就航するミラノ、ストックホルム(2025年1月31日就航)、イスタンブール(同2月12日就航)の3都市はすべて、羽田空港国際線の発着枠拡大が実現した2020年度の就航が予定されていた路線だ。さらに平澤氏のコメントにもあった通り、ミラノは1996年に関西国際空港から乗り入れたこともある縁のある都市。この路線が1998年に運休して以来、四半世紀を経て再び乗り入れを果たした。ANAの翼がまたイタリアへと飛び立つ、まさに記念すべき夜なのである。

 現在、日本とイタリアを結ぶダイレクトフライトは、2024年1月からANAとコードシェアを開始したITAエアウェイズの羽田=ローマ線と、このANAによる羽田=ミラノ線のみ。両社はANA国内線の9路線、ITAエアウェイズの羽田線およびイタリア国内線の6路線で、アライアンスの枠を越えてコードシェアを行なう関係性だ。また、ANAはイタリアの鉄道会社「トレニタリア」とも7月から提携しており、これらの空路と鉄路を駆使して、ミラノを拠点にしたイタリア国内25都市、さらに欧州各国とのネットワークを構築して、満を持してのミラノ再就航に挑んだ。

73番ゲートでの搭乗シーン。乗客数は203名(他にパイロット4名・客室乗務員8名が乗務)で、この記念すべき初便を狙って搭乗した人も多いようだ。なお、このミラノ線就航で羽田第2ターミナルを出発するANA国際線は18路線・27便に。ストックホルムとイスタンブールも同ターミナルの使用を予定している。

直行便があるからこそ、高まる高需要の原動力として

 来賓代表として挨拶したのは、駐日イタリア大使のジャンルイジ ベネデッティ氏。
「2023年に締結されたイタリアと日本の戦略的パートナーシップによって、あらゆる面で両国の関係が強化されるなか、イタリアとしても大きな期待を寄せている新路線です。ANAのスタッフ、クルー、そしてこれから搭乗されるお客さまに、心からの祝福をお送りします。皆さま、イタリアへの素晴らしい旅を!」

 大使によれば、2023年実績における両国間の渡航者数は日本→イタリアが前年比174%、イタリア→日本が同128%の成長率であったという。これには2022年11月に新規就航したITAエアウェイズの羽田=ローマ線の影響が大きいはずで、つまり、こうした直行便の開設が渡航需要を高めることを如実に表している。ミラノへの直行便開設により、おのずと2025年への期待も高まる。

 そして、この式典に花を添えたイタリアを代表するゲストが、パンツェッタ ジローラモさん。ファッションの仕事でミラノに行く機会が多く、「コロナ前に就航するはずだったANAの直行便にも乗ろうとしていました。今やっと直行便ができた!」とその喜びを表現した。

「ミラノは食べ物もおいしいし、(2026年に同地で開催される冬季オリンピックにちなみ)ミラノから1時間ほどで訪れることができるイタリアのスキー場もカッコいいですよ。若い人にも行ってほしい。イタリアの魅力なら1時間でも2時間でも話せます(笑)。皆さん良い旅を!」とジローラモさん。東京とミラノを結ぶANA国際線の新しいネットワークによって、ヨーロッパの旅はもっと楽しく、もっと魅力的なものとなるはずだ。

【羽田=ミラノ線スケジュール(2024年12月3日〜/火・木・日運航)】
NH207便:羽田(1:05)発→ミラノ(8:30)着
NH208便:ミラノ(10:30)発→羽田(7:30+1日)着

初便搭乗者に配られた記念の品々。羽田=ミラノ線のデザインが施されたサーモスボトルやノート、コーヒー、787が刻印されたブックマークを、やはりミラノ・デザインのバッグに入れて。ミラノ発の初便ではまた異なる品が配布されるという。
この冬、ミラノ、ストックホルム、イスタンブールの3都市へと新たに乗り入れるANA。その幕開けは12月3日に就航した羽田=ミラノ線。間もなく日付が変わろうとする12月2日の深夜から羽田空港第2ターミナルの国際線エリア、73番ゲートは熱気に包まれていた!

関連キーワードもチェック!