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ジェットスター、新制服へ衣替え。機内の印象はどう変わった?

ジェットスター・グループが今年2月に豪メルボルンでデザインをお披露目した新制服。11月28日からその着用がスタートした。グループ20周年を機にパイロット、客室乗務員、地上旅客スタッフの制服を刷新。その成田発の初便フライトにも搭乗し、新制服を着用した客室乗務員でイメージが変わった機内を体験した。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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ジェットスター・ジャパンが新制服の着用を開始。その成田発初便フライトで、新たな装いの機内を体験した。

 ジェットスター・ジャパンは11月28日、新制服の着用を開始した。2月29日にグループ本社のある豪メルボルンで発表したもので、オーストラリアの著名なファッションデザイナー、ジェネヴィーヴ・スマート氏が手がけたものだ。本日からオーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポールのスタッフが一斉に着用をスタートする。

 もちろん、新制服のスタートがあれば、旧制服の終わりもあった。前日、11月27日の夜。同社の成田発最終便となる上海行きのGK35便の出発で、成田空港を出発する便の旧制服にピリオドを打つことになった。

 チェックインカウンターでは粛々と業務が進められ、そのサービスは普段と同様だ。そして、搭乗口ではGK35便に乗務する、旧制服を着用したパイロット2名と客室乗務員5名が記念撮影に応じた。ちなみに、この7名は上海からの折り返し便も旧制服での乗務になる。

地上旅客スタッフの旧制服。11月27日の最終便出発後の様子。
旧制服で最後の成田発便を見届けた地上旅客スタッフ。
旧制服での成田発ラストフライトとなったGK35便のクルー。

新制服とともに各種パネルデザインも変化

 そして、11月28日の早朝。朝5時にオープンする成田空港第3ターミナルのジェットスターのカウンターに、新制服を着用した地上旅客スタッフが続々と姿を現す。男性スタッフはコンテポンラリーデザインの「ホライゾン」コレクションのシャツにブレザー。女性スタッフは星を散りばめたデザインが印象的な「ステラ」コレクションのワンピースやセパレート(スカート、パンツ)のスタイルが多い。

 ちなみに、初日だからといって着用する制服は指定せず、スタッフの好みで選択したスタイルとのことだ。今後、スタッフごと、またその日の気分などに応じて、さまざまなスタイルの制服を見ることができるだろう。

 さらに、カウンター上部のディスプレイに表示された画面も生まれ変わった。今回の新制服では、ジェットスターのブランドカラーとして印象深い「オレンジ色」に加えて、「濃紺色」を組み合わせたデザインになっている。今後はブランディングにおいても、この2色を活用していくとのことで、ディスプレイの表示もオレンジと濃紺を組み合わせたフレームとなった。加えて、カウンター奥のパネルも変更される予定とのこと。空港によって対応時期は異なる可能性があるとのことで、いま旧デザインを見かけたならば、見納めのチャンスになるだろう。

11月28日朝5時のカウンター。先掲の写真と見比べてほしいが、ディスプレイのデザインが変化しているのが注目ポイント。後方のパネルも変更される予定という。
いずれもブレザーを羽織っているが、その下にホライゾンコレクションを着用した男性スタッフと、ステラコレクションのポロシャツタイプを着用した女性スタッフ。

そして機内へ。「安全のしおり」なども新制服に

 この新制服の成田発初便となったのは、7時00分出発の関西空港行きGK217便だ。搭乗ゲートでは、2025年1月1日付けの社長就任が発表されている田中正和 執行役員も加わり、新制服に身を包んだパイロット2名、客室乗務員4名が記念撮影。掲載した写真を見比べていただきたいが、左右に飾られているパネルも新制服に合わせた新たなブランディングに沿う新デザインになっているという。

成田発初便となる関西行きGK217便のクルーによるブリーフィング。
GK217便の搭乗ゲート前で記念撮影。6名のクルーと2025年1月1日付けの社長就任が発表されている田中正和 執行役員(中央)。

 今回搭乗した客室乗務員4名の制服は、ステラコレクションのワンピースが1名、ステラコレクションのシャツとスカートの組み合わせが2名、同じトップスとテーパードパンツの組み合わせが1名と、こちらもやはりステラコレクションが人気の様子。ブレザーは従来と同じ「オレンジ」ではあるが、より明るいデザインとなっており、実際に目にするとかなり印象が変化したように感じられる。

 機内の客室乗務員は、出発と到着時にはブレザーを着用し、サービス中はシャツやワンピース姿で業務。これまでとは違う濃紺デザインの服を着た客室乗務員がいる機内の風景はひと目で一新した印象を受けるものの、ステラコレクションの大きな星のデザインにはジェットスターらしさもある。新鮮さと馴染み深さが両立しているのはデザインの妙と言えようか。

 今回の新制服ではセーターやカーディガン、さらにコートもオプションとして用意されており、初便でもカーディガン姿を見ることができた。こちらも濃紺をベースに、オレンジの縁取りがされ、新制服に馴染むデザインだった。

 また、機内販売品のメニューも新制服のスタッフが登場する新バージョンに。さらによく見ると、安全のしおりもイラストが新制服となっており、このあたりもリニューアルにかける意気込みの表れかもしれない。

ステラコレクションを着用して乗務する客室乗務員。濃紺色の新鮮さ、星のデザインの馴染み深さが両立しており、視覚で「新しいジェットスター」を感じられる。
離着陸時にはブレザーを着用。写真は到着時で、シェードのオープンやリクライニングを戻すよう案内。
機内販売品のメニュー。
安全のしおり。このイラスト以外も数点、新制服の客室乗務員が登場しているので、ぜひ実物を見てほしい。

 さて、この制服リニューアルは、ジェットスター航空の創業から20年を迎えることを機としたものだが、ジェットスター航空が過去に制服をマイナーチェンジしたことがあるのに対して、ジェットスター・ジャパンは2012年7月の就航以来、同じ制服を着用してきただけに、制服が変わったパイロット、客室乗務員、地上旅客スタッフにとっては大きな気持ちの変化もあるのではないか。

 第三者としては、そんなことを思いながら見ていた新制服。初便の機内では、次のような機長アナウンスが流れた。「制服は新しくなりますが、これまで通りお客さまにとって安全、ご利便のよい空の旅をお届けできるよう、気持ちを新たに取り組んでまいりたいと思います」。短い言葉であるが、制服リニューアルに対する現場の思いを率直に表しているように思えた。

成田発の新制服初便フライトを終えて関西に到着したクルー。
ジェットスター・グループが今年2月に豪メルボルンでデザインをお披露目した新制服。11月28日からその着用がスタートした。グループ20周年を機にパイロット、客室乗務員、地上旅客スタッフの制服を刷新。その成田発の初便フライトにも搭乗し、新制服を着用した客室乗務員でイメージが変わった機内を体験した。