特集/本誌より
ルーク・オザワ&大野Jタカシが語る 「ヒコーキ写真の話」/キヤノンフォトハウス銀座にて
夏真っ盛りの8月9日、キヤノンフォトハウス銀座にて「ルーク・オザワ&大野𝐉タカシのヒコーキ写真の話」が開催された。CP+でお馴染みとなった2人のトークショーは、Web予約開始2分で全席が埋まる盛況ぶり。今回は、ルーク氏が語ったヒコーキ写真の世界を、会場の雰囲気を交えて紹介したい。

名コンビが贈る「ヒコーキの話」、2人の出会いのきっかけは?
「ルーク・オザワ…これはついに“やった”な…」
大分県を中心にマルチに活動するタレント、大野Jタカシ氏から、お馴染みのひと言が今回も飛び出した。大画面に映し出されたのは、日本を代表する航空写真家、ルーク氏が撮影した“超劇的”な一枚。思わず「これ、今どきの合成じゃないの?」と疑いたくなる…そんなやり取りから、会場は笑いに包まれた。
もちろん、これは2人のトークショーでの鉄板ネタであり、作品への最大の賛辞でもある。2人の縁は約10年前、大野氏のラジオ番組にルーク氏がゲスト出演したことから始まった。その後も、CP+のステージで大野氏が2年連続MCを務めるなど、長年の信頼関係がこの掛け合いを生んでいる。約1時間半にわたるトークショーは2人の軽やかなやり取りが続き、会場は観客の笑顔で満ちていった。


ルーク劇場開演! トークの一部を特別にご紹介
トークショーが始まり、まず出てきたのは飛行機ではなく、鉄道の作品。お父様がSLの機関士で、「鉄分」を多分に受け継いだルーク氏ならではの展開だ。雨上がりに輝く線路と、闇夜の対比が美しい。こういった「光」を見つけることが、写真を撮る上で大切だという。

続いて、大分県出身の大野氏、同県に工場を持つキヤノン…となれば、やはり大分空港が話題に上がった。同空港では2025年7月26日、空港と大分市内を結ぶ「ホーバークラフト」が16年ぶりに就航。タキシング(地上走行)中のJAL ボーイング767-300ERと、ホーバークラフトの絡みを捉えた作品が紹介された。なお、同地で撮影された別カットのプリントが、「キヤノンフォトハウス銀座」で8月23日(土)まで展示中である。

途中、自身のことを「収集癖」があると語ったルーク氏は、現行塗装の機体写真を、登録記号ごとに保存している様子を披露。直近ではボーイング787-9「R2-D2 ANA JET(登録記号:JA873A)」が通常塗装に戻ることになり、「これもまた撮らなきゃならない」と楽しそうに話していた。ついつい忘れがちだが、写真とはこういった「記録・収集」の繰り返しなのかもしれない。

トークショー終盤には、成田空港で撮影された、桜とNCAジャンボの一枚が紹介された。抜けるような青空と、桜のコントラストが美しい「ルーク・ショット」だが、実は撮影の1時間前まで、空は真っ白に曇っていたという。天気が悪いからといって、すぐに諦めて帰ってはならない。ルーク氏が以前語っていた、「空と喧嘩をしない」という言葉を思い出した。

観客へのプレゼントは、今は無きあの機体! 終了後の記念撮影も
トークショーでは、ルーク氏からプレゼントが贈られる粋な計らいもあった。観客2名に贈られたポストカードは、なんとロンドン・ヒースロー空港に着陸する「コンコルド」を捉えた作品。また、ルーク氏が撮影を担当した、「EOS 7D MarkⅡ」の直筆サイン入りカタログを手に入れた人もいた。
そしてトーク終了後には、観客との記念撮影タイムがスタート。会場に展示された作品を背景に、ルーク氏とのツーショット撮影が行なわれ、ファンにとっては嬉しい交流の時間となった。


以上が、キヤノンフォトハウス銀座で開催された「ルーク・オザワ&大野Jタカシのヒコーキ写真の話」の様子である。ルーク氏と大野氏によるウィットに富んだ軽快なトークは、熱心な飛行機ファンはもちろんのこと、飛行機に詳しくない人でも楽しめる内容であったように思う。また、「ルーク・ショット」に憧れて飛行機を撮影する者にとっても、撮影の「ヒント」が随所で紹介され、モチベーション向上に繋がるイベントであった。同様の機会が再びあれば、ぜひ参加して、その魅力を直接体験してほしい。

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