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国際空港上屋の現場力を見た! 747フレイター行き交う、躍動する貨物地区
成田空港という世界有数のエアカーゴ拠点へ!

成田空港のトラフィックで特徴的なのが豊富な貨物専用機たちだ。国際航空貨物の取扱量は他空港を大きく引き離しており、それを支えるだけの貨物施設と、ハンドリングを担うオペレーターが存在している。その代表格といえる国際空港上屋(IACT)の現場を訪ね、貨物拠点としての成田空港の側面に迫った。
<提供:国際空港上屋株式会社>

文:村田尚之 写真:村田尚之
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エアライン・グループに属さない独立系の総合グランドハンドリング企業であるIACTは、50社を超える航空会社の業務サポートを行なっている。羽田空港にも営業所を、また中部国際空港にも関連会社を置く。

NRTが圧倒的優位に立つ、航空貨物を支える現場

 成田空港が“新東京国際空港”として開港したのは1978年5月。以降、日本では関西国際空港、中部国際空港の開港や羽田空港の再国際化など、国際線を取り巻く環境にも大きな変化があった。

 もちろん航空需要の高まりを受けて、各空港とも着実に旅客数や発着回数を積み重ねているが、成田空港が絶対的なアドバンテージを有しているカテゴリーがある。それが、国際航空貨物だ。

 2021年のデータによると取扱量は259.1万トンで、台北に次ぐ世界5位。貿易額は約28.9兆円で、空港・港湾を合わせても他を大きく引き離して国内1位の座が揺るぎない。これらの数字が示すとおり、成田空港は日本における最大の国際貨物拠点であり、その実績の裏側には、成田に拠点を置く貨物ハンドリング企業や、一時保管を担う貨物上屋(うわや)を運営する企業の存在がある。

 そんな成田空港における貨物ハンドリング事業のフロントランナーと言えば、共同上屋業務とグランドハンドリング業務を幅広く展開する「国際空港上屋株式会社(IACT)」だ。そのIACTの業務から、国際貨物拠点としての成田空港の実像に迫っていきたい。

取材が許可されたのは深圳=成田=シンシナティのルートで飛ぶ747-8F。成田路線では今もなお多くの747フレイターが活躍しており、間近に見るとその機体サイズに圧倒される。
IACTによると、747フレイターのノーズカーゴドアを使用して搭降載を行なう作業は多くないという。なお、エアラインによっては搭降載中の尻もち防止のため、ノーズギアと地面を専用のロープで結び固定するケースもある。
搭載作業はメインデッキ、ロワーデッキを同時進行で行なっていた。最大約130トンの貨物を搭載できる機体ゆえ、用意されるULDの数とサイズも圧巻だ。

高品質かつ正確無比な貨物搭載のランプハンドリング

 こうした迅速かつ正確なオペレーションは、ランプハンドリングにも共通して言えることだ。航空機への搭降載作業では、カーゴドアごとにハイリフトローダーなどのGSEが配置され、機体の近くにスタンバイするULDが次々とトーイングトラクターにより機体へと運ばれてゆく。取材時は貨物地区の200番台スポットで米国への出発を待つボーイング747-8Fへの搭載作業が行なわれていたが、その巨大な機体の貨物室への積み込み作業も、わずか1時間弱で完了してしまった。

 まるでフィギュアスケートのように、華麗なオペレーションでランプエリアを行き来するトーイングトラクターのハンドル捌きも圧巻で、無駄な動きなど微塵もなくピタリと搭降載を行なうリフト横につける。搭降載スタッフの作業も阿吽の呼吸で、安全確認や互いの声掛け、綿密な事前確認の打ち合わせが徹底されていることがわかる。スムーズな作業とスタッフ同士の連携は見ているだけでも心地よいし、まさしくプロの仕事により支えられている成田空港の貨物オペレーションの真髄を見た気がした。

 そのあと、ランプハンドリング部門により747-8Fはプッシュバック。ほどなくして準備が整うと、巨大な機体はGEnx-2Bエンジンのサウンドを響かせながら悠々と誘導路へと進んでいった。手を振って見送るIACTのスタッフたちの後ろ姿には、“完璧な仕事で送り出した”という誇りが感じられた。

欧米の大手貨物エアラインからハンドリング業務を受託しており、747や777といった大型フレイターへの搭降載作業も数多く担当。メインデッキローダーも10台を保有する。
96インチサイズのULD(パレット)で34台を搭載できる747-8Fのメインデッキ。大型の貨物が次々とカーゴルームに収められてゆく。
ランプエリアに並べられ、搭載を待つ多数のULD。ピタリと整列した様子、保護用ビニールシートの丁寧な施工からもIACTの作業クオリティの高さが垣間見える。
トーイングトラクターの運転や搭降載作業といったランプハンドリング業務。こうしたIACTの現場では女性も多く活躍している。決して男性だけの仕事ではない。
747-8のロワーデッキ後方貨物室には、最大96×125×64インチのパレット5台が収まる。その手前には隣接するバルクカーゴ室用のベルトローダーが待機。
リフトの位置を適宜チェックしながら、慎重にロワーデッキ前方貨物室に搭載される88×125インチのコンテナ。

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