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ANAグループの新入社員2,848名へと受け継がれる、『伸びゆく翼』の精神

2,848名もの新入社員を迎えたANAグループの入社式は、コロナ禍を経て実に5年ぶりに格納庫での開催となった。ホールでもオフィスでもなく、格納庫で新たな仲間を迎えること。そこには航空会社として大切な意義がある。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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4月1日、羽田空港の格納庫で行なわれたANA入社式。A321neo(JA148A)も祝福した。

安全の原点となるこの場所で

 AIRLINE WebではすでにJAL、スカイマークの2024年度入社式のレポートをお届けしているが、もっとも多くの新入社員が参加して行なわれたのが、ANAグループの入社式であった。羽田空港の格納庫を埋めつくしたグループ37社、2,848名の門出。

 思い起こせば昨年のこの日は、羽田空港近くの総合訓練施設・ANA Blue Base(ブルーベース)をメイン会場として、全国各社の34拠点をリモートでつなぐ形で入社式が行なわれたが、今年は2019年以来、5年ぶりの格納庫での実施となった。
 こうして格納庫で入社式を行なう理由は、ただ「広いから」ではない。挨拶に立ったANAホールディングスの芝田浩二 代表取締役社長は、このように新入社員たちに語った。

「格納庫は約5年に一度、航空機を部品レベルまで点検し、安全に空を飛び続けるための整備を行なう、航空会社にとっては安全の原点となる場所です。今日この場所で、ANAグループの一員となるにあたり決して忘れてならないことは、安全は経営の基盤であり社会への責務である、ということです」

 ANAにとって企業としての原点である場所で、その一員になることの意味を心に刻む。それこそが、格納庫で入社式を開催する最大の理由なのである。

2,848名の新入社員が “ワクワクで満たされる世界を” というANAグループの経営ビジョンを掲げた。
「この格納庫で迎えた今日の日を、一人ひとりが責任感をもち、ANAグループの安全を維持していく一員となる決意の日だと心に銘じていただきたい」と語ったANAホールディングスの芝田社長。

ANAを育んできた精神を胸に

 また、ANAの入社式では、晴れの日を先輩社員たちが温かく迎える雰囲気が色濃い。
 芝田社長も、「新しい環境や生活の中では、悩むことや壁にぶつかることもあるでしょう。しかし、それに立ち向かい、解決しようとする努力は必ず実を結びます。そしてANAグループの先輩や仲間は、それを必ず支えてくれます」

 その祝辞のあとには、ANA TEAM HND Orchestraによる、社歌『伸びゆく翼』の演奏。
 創業10周年を記念し、1962年に制定されたこの社歌には、“同志の固き協力に 伸びゆく空路はきわみなく”の歌詞がある。ANAという航空会社がここまで成長を遂げてきた、その根幹として欠くことのできない協力の精神。さらに、グループ各社の先輩社員たちから祝福のビデオメッセージが届けられ、「待ってました! 期待の星!」などの温かい言葉で新入社員を歓迎した。
 こうして、2024年度の入社式は閉幕。グループ会社ごとに会場を後にする新入社員たちを、ANA TEAM HND OrchestraがYOASOBIの『群青』を奏でて見送った(青が群れる、というANAらしい選曲)。
 この日、2,848名を加えたANAグループは、さらなる伸びゆく翼へ。

ANAグループの先輩たちが気持ちを込めて綴ったメッセージカードも、新入社員たち一人ひとりに。
2,848名もの新入社員を迎えたANAグループの入社式は、コロナ禍を経て実に5年ぶりに格納庫での開催となった。ホールでもオフィスでもなく、格納庫で新たな仲間を迎えること。そこには航空会社として大切な意義がある。

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