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ワイヤーフェンスになった成田空港 第1ターミナルの展望デッキ、4月9日開業。足湯や高台も設置

2025年4月から閉鎖されていた成田空港第1ターミナル5階の展望デッキ。5階エリアのリニューアルと合わせて、4月9日に供用が開始される。新しくなった展望デッキと5階エリアの特徴を紹介しよう。

文:多和田新也(編集部) 写真:多和田新也(編集部)
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 成田国際空港(NAA)は4月9日、成田空港第1ターミナル中央ビル5階を「SHIKISAI GARDEN -Seasonal colors-」と名付けてリニューアルオープンする。今回のオープンには2025年4月から閉鎖されていた展望デッキも含まれており、5階エリア全体が大きく生まれ変わることになる。

 「SHIKISAI GARDEN -Seasonal colors-」は、「日本の文化と精神性を育む豊かな緑と四季の移ろい」をコンセプトにする。「SHIKISAI」は四季の彩り、「GARDEN」はくつろぎ、癒やしの場所であることをイメージして名付けられた。

 デザインには、成田空港という玄関口で日本を伝える場とすることや、この5階は出発エリアであることから、訪日外国人が最後の飛行機旅を前に疲れを癒やす場所といったコンセプトを盛り込んで作り込まれていったという。そのなかで、名前にも込められた「四季」に加えて、「水の流れ」もデザインに盛り込んだという。

 この5階への誘いとなるのが、4階の中央出入口(C1)付近の造形で、展望デッキで流れ出た水が5階を伝わって、4階へ注ぎ込むことをイメージした竹アート「空の環(リング)」が出迎える。空の環は大阪を拠点とするアーティストである四代 田辺竹雲斎氏によるもので、黒竹、真竹、虎竹という3種類の竹を用いている点や、ハートマークが象られている点なども特徴となる。

4階のエントランス部。四代 田辺竹雲斎氏による竹を用いたアート「空の環(リング)」が5階から4階へと流れる水をイメージ。つながりを想起するデザインで、4階から5階へと人々を誘う。

ヒコーキ撮影にもうれしい、立体的な造形物が増えた展望デッキ

 展望デッキは、扉を抜けるとまず目に飛び込むのが木のフレーム「借景フレーム」で、幅4.6×高さ2.5mの枠内に飛行機を収めて撮影するなど、フォトフレームのように利用できる。また、これまでに並べてあった金属製のベンチはなくなり、木製の固定ベンチに刷新。双眼鏡には、うなりくんがデザインされた。

 大きな変化は、従来のメッシュフェンスから、ワイヤーフェンスへの変更だ。ワイヤーの間隔は7cmで、撮影者目線でのレンズを通せるというメリットはもちろん、なにより開放感が高まった。

 そして北寄りに設置されているのが「マウンテンデッキ」と呼ばれる高台のようなデッキで、ヒコーキ撮影には魅力的なスポットだ。最も高いところで2.5m。フェンスの全高が3mなので、人の身長を加えればフェンス越しに飛行機を望むことができるのである。

上段/新しくなる成田第1ターミナルの展望デッキ。下段/2か所の出入り口の先にある「借景フレーム」はフォトフレーム的に利用できる新たなスポット。
上段/ベンチはすべて木製に。従来から設置されていた双眼鏡はそのままだが、デザインがうなりくんを描いたものになった。下段/ヒコーキ撮影の視点ではワイヤーフェンスへの変更が大きなポイント。間隔は7cmとのこと。
デッキ北寄りに設置されている「マウンテンデッキ」は高さが2.5mあり、脚立などを使わなくても3mのフェンスを越えて撮影できる。

 その隣には、今回のコンセプトである「水の流れ」の起点となる「足湯」が設けられている。足湯は3か所あり、2か所は温水(約40℃)の一般的な足湯。もう1か所は四季の香りを配合した入浴剤を使用したものとなる。

 マウンテンデッキのほかにも、横になれるほど広いベンチや、階段状のデッキなどが各所にあり、平面的な空間にベンチと花壇があった雰囲気に比べると、いろいろなスタイルでくつろいだり、飛行機を楽しんだりできそうな印象だ。

展望デッキ北端に設置された足湯。写真内の左側2か所は40℃の温水を使った通常の足湯。右の1か所は季節によって香りの異なる入浴剤を使用した足湯となる。
もちろん足湯に浸かりながら飛行機を眺めることができる。

休憩コーナーやキッズエリアなど施設も拡充

 このほか、5階へのエスカレーターを上がってすぐのところに、「リラックスエリア」と名付けられた休憩エリアが設けられた。そのなかは「茶の間」、「居の間」、「書の間」と分けられる。

 座席数は全130席で、居の間には靴を脱いで過ごす畳の間があったり、書の間にはリクライニングチェアが設置されていたりと、それぞれコンセプトこそ異なるものの、日本らしい閑かな空間でゆっくり過ごせるようになっている。

 また先述の展望デッキでも四季の香りを配合した入浴剤のように、ここでも四季折々の香りが漂う。このよい香りは人の動きが生み出す風の流れによって、リラックスエリアの外でも薫ってくる。

リラックスエリアの「茶の間」。古賀崇洋氏による「頬鎧杯」という戦国武将の“変わり兜”から着想を得た陶芸品が展示されている。
リラックスエリアの「居の間」。日本らしい畳の間があるコーナー。写真右下は「茶の間」と「居の間」の中間にあるコーナーで、「日本草木研究所」による香る草木を展示。11種類は実際に香りを感じることもできる。
リラックスエリアの「書の間」。ほかの“間”に比べて個人の空間、プライバシーを強めたコーナー。リクライニングチェアが並ぶ空間は、格子越しに「空の環(リング)」の吹き抜けを望むことができる。

 エスカレーターの先には「in sync(イン シンク)」と名付けられたデジタルアートが展示されており、竹林をモチーフとした映像のなか、人の動きに反応して音や影が変化するギミックが施されている。途中にある回転するパネルもユニークで、歩いているだけで、自分を中心に光と影がダイナミックに変化するのが面白い。

 5階南寄りの場所には、子供向けのエリアが新設された。ファミリールーム付きのベビールームや、無料のキッズスペース「Baby Play Space」、さらにフレーベル館運営の有料キッズパーク「Kinder Platz(キンダープラッツ)」がオープン。

 Kinder Platzは、屋内外にさまざまな遊具が設置されているが、なかでも屋外にあるすべり台は、その台の上はフェンスを越えて飛行機を眺める高さがあり、空港らしさを存分に感じながら楽しめそうなスペースになっている。営業時間は10時から19時まで。対象年齢は6か月~12歳で、料金は子供2,200円、大人1,100円となっている。

 このほか、フードコートは従来の店舗がそのまま出店しているが、テーブルや椅子などは入れ替えたほか、フードコート内の春夏秋冬をイメージした4色の柱を設置して、四季の移ろいを醸し出している。

エスカレーターを上がって5階から奥へ進む通路には、光と影のデジタルアート「in sync(イン シンク)」を設置。写真右下/「in sync」のエリアを抜けた先の床面にも注目。水面に浮かぶ桜の花びらがあしらわれている。
子供連れの家族に向いた施設を充実させた。写真は無料のキッズスペース「Baby Play Space」。
フレーベル館が運営する有料キッズパーク「Kinder Platz(キンダープラッツ)」もオープン。屋外エリアでは飛行機の近くで遊具で楽しむという空港ならではの体験ができる。

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