連載

チャイナ エアラインとエバー航空を乗り比べる台湾旅 中部→台北編 〜 連載【パイロットが乗客に! マニアック搭乗記】

現役の機長が1人の乗客として海外エアラインのフライトに搭乗し、パイロットならではの専門的な視点でその模様を紹介する本連載。今回は中部→台北→関西を乗り継いで日台間を往復し、台湾の2大航空会社、チャイナ エアラインとエバー航空を乗り比べよう。まずは往路、中部→台北線のチャイナ エアラインのフライトから。(復路はこちら)

文:Hide(ボーイング737機長) 写真:Hide
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まずは今日の天候をチェック!

 本州南に前線(梅雨前線)が停滞し、四国〜九州沖にかけて高高度まで雨雲が存在。さらに上層の風の変化により那覇周辺では揺れが予想される今日のフライト。レーダー画像でもはっきりと雨雲の集まりが本州南岸に停滞していることがわかります。雨雲がかなり高高度まで発達していることと、上層風をわかりやすく現したVENTUSKYの解析図からわかる風の変化によって、特に本州から沖縄周辺まではなかなか安定した飛行は難しそうな予想です。

Image: ventusky.com

機齢19年、ベテランのA330-300の機内へ

 今回搭乗するのはチャイナ エアラインのA330-300で、登録番号B-18305の機体。2005年6月から活躍している、機齢19歳を超えるベテラン機です。

 日曜ということもあってほぼ満席の機内。座席は38Kと後方窓側で、当然ながら隣にも他の乗客がいます。チャイナ エアラインのA330のエコノミークラスは2-4-2という配列で、団体やペア、一人旅まで色々なニーズにうまく対応できていて、個人的にとても好みの配列です。窓側か通路側に座れる確率は6/8、つまり75%で、通路に出るために「すみません」と声をかける相手は最大でも1人。767の2-3-2配列でも同じことが言えますが、最近流行りの3-3-3より好印象です。

座席そのものについては、特に後方座席の窓側は機体の胴体がだんだんと狭くなる影響か、肩周りが窮屈です。座席がほぼ壁面に触れていることからも、その窮屈さがわかりますね。

 B-18305はかなりの経年機ということで、着席したあとすぐに目にとまる座席モニターは懐かしいサイズです。しかし古いながらも、その周りにはコートフックやイヤホン収納、鏡まで装備する豪華仕様。最近の巨大化したモニターが付いた機体では逆にこうした装備の配置場所がないため、これはこれで好印象です。

画面サイズこそ小さいですが、左の扉を開ければ鏡が、また右側にはイヤホンを収納するポケットが装備されています。
フライトマップもしっかり表示可能で、明るさや解像度は最新機種に比べると見劣りしますが、これはこれで充分に感じます。明るさ調整ボタンが右に独立しているのも便利です。またメニュー画面は素っ気ないものの、フライト情報が常に左上に表示される点は気が利いていますね。

 そして今となっては珍しいコントローラーリモコンも装備されていて、導入当時はかなりコストをかけた座席であったことが窺えます。表面は当時流行ったゲーム機に似たコントローラーで、最近のタッチパネルだけの仕様より使いやすいです。また裏はこれまた懐かしい電話機能もありました。

懐かしいコントローラー。裏面の電話はクレジットカードで決済して通話するのですが、今も使えるのでしょうか? 機内Wi-Fiが導入される前は、地上との唯一の通信手段であった衛星電話。きっと驚くような通話料だったことでしょう。

 客室全体は、蛍光灯を使用した懐かしい部類に入る内装です。といっても、A330が登場した当初からは内装も進化していて、特にLED化された読書灯周辺は一変しています。古さを感じさせないクリーンな内装は、さすがですね。この内装より以前のタイプで、A300のころから続く読書灯周辺の特徴的な内装は、後日掲載する予定のA340の搭乗記でご紹介できるかと思います。

どこか古めかしさがある蛍光灯とは対照的に、比較的モダンな頭上のライトやサイン類。

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いよいよ離陸。一路台北へ!